2025年度数学科リレー講座6日目

2025.08.29

  • KSプロジェクト
  • 数学科

リレー講座最終日の6日目は,ルベーグ積分の最も重要な性質である収束定理の証明,定理により導かれた様々な成果について講義を行いました。

前半は,関数列の収束について復習をした上で,極限と積分の順序交換可能な条件として,一様収束や単調収束定理より広く用いることができるルベーグの収束定理を提示し,証明の大筋を示しました。そして,定理を用いることで,積分値が求めにくい関数列の極限を,極限関数の積分値で求められる例を示しました。

後半では、前半で証明をしたルベーグの収束定理を用いて「有界閉区間においてリーマン積分可能であればルベーグ積分も可能であり、かつその結果は一致する」ということを証明しました。ルベーグ積分がリーマン積分の拡張であることを体感してもらい、ルベーグ積分によるご利益を理解できるように紹介しました。さらに、ルベーグの功績はどのように活用されているかの例として、確率論においては測度の概念によって厳密な論理体系が構築されていったこと、関数解析の分野ではLp空間の完備を考えるにあってルベーグ積分論が必要なこと、さらにはそれによって物理・工学の発展に多大なる寄与があったといえることを挙げました。まさに、ルベーグ積分は縁の下の力持ちとして数学の発展に大きく貢献したといえるでしょう。そんなルベーグの功績に思いを馳せて、ルベーグ生誕150年記念講座は幕を閉じました。

以下、生徒の感想です。

・中学生でも習わないようなことが楽しかった。難しいところも,一つ一つ丁寧に説明がされていて,分かりやすかった。(中3)

・この講座を通して,Lebesgue積分のみならず,抽象的な議論に対して具体的な例を以って理解する能力が身についたと思う。今後の勉強に大いに役に立つだろう。(高1)

・まず,とても楽しかったです。今まで当然のように確率の計算で使っていた感覚がルベーグ積分によって証明されているのを知って驚きました。いちばん面白いと感じたのは4日目に習った完全加法性についてでした。当然成り立つと思っていたことでしたが,証明をきちんとしようとすると,かなり難しくてとても勉強になりました。講義はとても理解しやすくてとてもためになりました。ありがとうございました。(高2)